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チラシ印刷よもやま話

チラシ印刷の現場から。チラシの裏に表に色紙に書きたい話。

2色刷りチラシの威力爆発!『トマト売り名人』の手書きチラシ

大阪の南のまた南、羽曳野(ダルビッシュ有選手の地元でちょっと有名になりました)に住んでた時の、

トマト売りのおっちゃんの「手書きチラシ」の話。

 

おっちゃんは自家農園で色んな野菜や果物を栽培してて

収穫期になると、国道沿いの道端にテント張って、出店をやります。

 

週に2日程度、しかも1日2時間程だけなんですが

おっちゃんの「手書きチラシ」が入ると、近所の奥さんたちが殺到します。 

 

 

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 何でこんなに、いつも人だかりが出来るのか。

 

その理由の一つは、トマトが美味しいこと。

近くの「道の駅」や百貨店、スーパーに卸さないキズモノを、バカ安で売っちゃってるんです。

 

その旨さたるや、高級トマトで有名な「高知トマト」にもヒケをとらない濃厚な味。

それが、「え?! これの、どこがキズなん?」って感じの、大したキズじゃないのにバカ安で売るんですから、そりゃ売れます。

 

週に2日程度、1日2時間ほどしか売らない理由は、

「畑が、忙しーねん」

 

 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

もう一つの売れる理由が、おっちゃんの「トーク」。

・・・たぶん。

 

初めて買いに来た、見覚えのない奥さんにお釣りを渡すとき、

ふと奥さんの顔をジッと見て、こう言います。

 

「なんで女優やめたん?」

 

言われた奥さん、キョトン(@o@

 

まわりの奥さんたちが、「出たっ!」(爆笑

 

 

言われた当の奥さん、ここではじめて常連さんたちと一緒に大ウケするのですが、

笑いながらも、決して「女優」を否定しません。

大阪です(笑

 

否定するどころか、照れてますヽ((´д`((⊂(>ω<。*//キャーッ(照)

 

この奥さん、次からもう常連決定!

 

一緒に大ウケしてる常連さんにも、おっちゃんはフォローを欠かしません。

 ひときわ大きなダミ声で笑ってるベテラン奥さんを指さして、

 

「昨日のドラマ、見たで! あんたの。」

 

お約束の、大爆笑!

誰にでも言ってます、ハイ。

 

関西人にだって、そんじょそこいらの年季じゃあ、おっちゃんのマネ、到底できません(例外:大阪のお姐ちゃんたちは幼少から、もしくは生まれつき遺伝子に身に付けてます)。

 

 この、ただの落書きにしか見えない、おっちゃんの「手書きチラシ」、

配布した枚数よりも、集まる人数が多いと思います。

 

でも、これ、実はあらゆるノウハウが究極にシンプルに凝縮されているチラシなんです。もちろん、おっちゃんに、そんな作為はありません。

実はこのチラシ、当初は黒1色だけの手書きチラシだったんですが、

黒と赤の2色チラシにしただけで効果が倍増したそうです。

 

 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

で、ふと気づいたんです。

そういえば、おっちゃんみたいに道端で売ってる人、割とよく見かけるけど、

おっちゃんほど、いつも人だかりができて、2時間で売り切れなんて、そう多くはないだろう、と。

 

大阪の田舎には、道端で売ってる人たくさんいるけど、たいてい「立て看板」してるだけで、道行く人が立ち寄るのを待ってる。

そして、売れ残った商品はたぶん廃棄してしまうか、肥料になるか。

大事に育てた野菜・果物に決まってるのに・・・

 

トマト1個の儲けなんて大したことないのに、チラシ作るお金なんて出ないよ~

って思ってる人、多いと思うんです。でも、たった1枚のチラシで来た1人がリピーターになり、口コミを広げ、次の告知を待つ人が増え、捨てられる野菜や果物もなくなる。

 

おっちゃんは、どうして「手書きチラシ」で告知するのか。

それはきっと、おっちゃんが儲けて楽したいたいからじゃなくて、

もっといいトマトを作りたいから。

 

キズモノを捨てるくらいなら、売って、その収入で、もっといいトマトを作る。

そうやってトマトに愛情と収入を注入して育ててきたからこそ、これほどまでに美味しいトマトになったんだと思う。

 

そして、たぶん「女優トーク」も、トマトのために生まれた。

 

おっちゃん、めちゃカッコいい。

 

 

 

 

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