チラシ印刷 驚異の集客

2色チラシと手書きチラシで集客

旅行業界の常識を破ったチラシ

旅行する人の多くが、インターネットの旅行サイトから予約する時代になってから、「旅行社のチラシは当たらない」というのが常識なのだそうです。そしてインターネットの旅行サイト大手の独壇場となっていて、中小の旅行社は同じ土俵では太刀打ちできなくなっています。

 

「ネットもダメ、チラシもダメ、いったいどうしたらいいのか・・」と追い詰められた旅行社が、常識外れの集客チラシを生み出したケースをご紹介したいと思います。

(実物は非公開のため写真や地図を入れ替えたサンプルです。文章と構成はほぼ原文のママです)

 

旅行チラシ

   

「はぁ? 冗談?」と、これを初めて見た人は、そんな顔をします。以前の私も、これを見たら、そう思ったと思います。広告屋印刷屋チラシのデザイン制作を依頼して、このチラシが出来上がってきたら、依頼者は怒り心頭かも知れません。

 

大手の広告会社は、まず、こういうチラシは作りません。依頼者が納得するチラシを作らなければならないからです。依頼者に「はあ?」と言われるようなチラシは作れません。

 

さて、このチラシ。いったい、どこにそんな力を秘めているのか。

広告界の常識からすると、まったく常識外れのチラシに見えます。旅行社のチラシなのに、旅行メニューがない。旅館の写真も、料理の写真もない。電話番号が小さい。地図が小さくて分かりにくい。

 

 ネットで旅行会社のチラシの作り方を検索してみますと、大手広告代理店が作った旅行メニューだらけのチラシが山ほど出てきます。小さな旅行社が同じようなチラシを出しても、太刀打ちできるはずがありません。 「旅行チラシはこう作れ!」と豪語する大手広告会社のサイトには、「旅館の料理の写真をはずしてはならない」と書かれていました。 

 

広告の「常識」を、うのみにしない方がいいと思います。

この大逆転チラシを作った旅行社は広告の「常識」に惑わされず、旅行のプロとして、旅行好きなお客様が本当に求めているものは何かを追求して、このチラシを自作されたのです。

 

自分たちが提供できる最高のサービスは何か。旅行メニューの企画も大事だが、それ以上に大事なことは旅の「安心」と「楽しさ」だ。お客様は会社に来る訳ではないので地図は小さくていい。電話番号が大きいと、お客様を無理やり呼び込もうとしているみたいで、本当に親切と言えるのか。お客様を呼び込みたいだけじゃないのか。だったら小さくしよう。

 

こうして出来上がったチラシを配布。ところが意気込みに反して、あまり効果がなかったといいます。それでも翌月に第2号を発行。続いて第3号も配布されました。そして第4号のチラシの文中に、嬉しいエピソードが掲載されていたのです。

 

このチラシ、第1号の不発の後、いったんはお蔵入りになりかけたそうです。でも、ある女性スタッフの「費用が安く済むんですから、地域の皆さんに、うちの社報として配布したらどうでしょうか。」との提案により、社報として続けることにしたのだそうです。 

 

社報として第2号を発行し、しばらくして急に電話が入りだし、約2ケ月先のGWツアー企画の予約が満杯になったそうです。 

ところが喜んだのも束の間、このGW中に他社の観光バスが大事故を起こし、大ニュースとなったのです。過去の経験から、お客様の夏の国内旅行が控え気味になることが予想されたので、夏ツアーの企画の縮小を検討しなければ、と思っていた矢先、GWツアーに参加していたお客様たちの多くが夏ツアーにも予約を申し込んだ上、新規のお客様の予約が殺到。 

第4号には、こうしたエピソードが丸ごと記載されていたのです。

 

他にも、ツアーに初参加された初めて顔を見るお客様たちが自分のことを知ってくれていて、「チラシ、読んだわよ!」と声を掛けてくれたというエピソードが書かれていました。

お客様たちがバスに乗り込み、出発前にマイクを持って緊張しながら挨拶の第一声を発しようと振り返ると、お客様たちがニコニコ笑っていて、「昨日はパック、大丈夫だった?」と声を掛けるお客様がいたというエピソードも(チラシの左上の記事を凝視すると何のことか判明します)。

 

つまりこのチラシ、お客様が集まるだけでなく、添乗員さんや荷物係のスタッフが楽しく仕事ができるようになった、という思わぬ副産物も生んでくれたのです。 

さらにもう一つ、この旅行社にとって最大の効果となったのが「営業する必要がなくなった」なんだそうです。このチラシを毎月発行しているだけで、営業しなくてもお客様の方から来てくれるようになったのですから、チラシが営業マンと同じ効果を発揮しているのです。このチラシ、月1万円のエリート営業マンです。

 

 

この大反響チラシ、もちろん毎月1回発行の累積効果と口コミの相乗効果が大きいのですが、このチラシにも「ある成功の法則」があるのです(興味ある方は最下部の※追伸欄をご参照願います)。 

ただ、この旅行社さん、まったくそんな「法則」に関係なく、地元の旅行好きの方たちに自分たちが提供できる最高のサービスは何か、を徹底的に追求した結果、生まれたチラシです。

 

この定期発行の新聞型チラシ、仮に「自分通信チラシ」と呼ぶことにしますが、最近、手書きチラシと並んで効果を発揮しているスタイルなんです。会社や商品を売り込むのではなく、自分やスタッフを発信するチラシです。

もし起業家の方や、会社員の方が、これと同様のチラシを作ろうとするときには、2つだけ注意点があります。

1つは、自分通信チラシは会社やお店や商品を通信しても反響はありません。自分通信チラシが成功しているのは、これを発信している「人」が伝わるから効果を生んでいるからです。

もう1つは、自分ばかりをあまりにも通信しすぎないこと。政治家の宣伝チラシみたいにしないことです(笑

 

   ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

 ※追伸

自分通信チラシは、マーケティングの勉強をしたことがある人なら誰でも知っている「ある仕組み」を構築することに成功したチラシだから、当然のごとく効果を発揮しているのだと言えます。

その「ある仕組み」とは、マーケティングの基本中の基本であり、究極の目標でもある「売るのではなく、見つけてもらい、購買される仕組みを作る」というものです。

 「たんすにゴン」のCMも、「虫コナーズ」のCMも、そうです。

そんな中、「セキスイハウスの歌」をCMにしてから売上げが急増したという「積水ハウス」のCMは、家のプロとしてお客様に提供できる最高のものは何かを追求し、それが結晶したCMだったのではないかと思っています。

youtubeで「セキスイハウスの歌」を検索してみますと、どの歌も素晴らしいのですが、私は即興アーティストのアルケミストさんを初めて知り、その声、その歌が好きになり、他の曲も聞くようになりました。

そして、「セキスイハウス」って、いい会社だな、と思ったのです。