これ、押さないでくださいよ、 押さないでくださいよ。
押しちゃったら、どうなっても知りませんからね。
やっぱり押しちゃいました?
さて前々回、会社の会計と決算について、自身の体験談をお話しさせて頂いたのですが ↓
記事更新後もお問合せや、個別の相談を頂き、個別に対応させて頂いてるうちに、なんだか、お国の不親切を感じまして。
で、前々回の余韻が残っているうちに、お国に「分かるように説明してーよ。」と言いたくなったので、PART2を書いておこうと思った次第です。
どうしても専門用語が多発してしまいますが、
「これっきり、これっきり、もう、これっきり」にしようと思ってますので、
ここからは税務に関心ある方だけでも読んで頂けましたら幸いです。
1.申告の種類とメリット・デメリット(2014年以降)
確定申告には3種類あります。
①白色申告(単式簿記)
③青色申告・複式簿記・・・控除65万円
「控除」というのは、「申請所得を減らすことができる額」です。
事業所が得た利益を実際より減らせる額が、10万・65万です。
これによって所得税を安くすることができます。
2013年迄は、白色申告には記帳義務がありませんでしたので、①でやる人も多かったようですが、
2014年から白色申告にも記帳が義務化されました。
そうすると、同じ単式簿記なら②青色申告の方がお得ですので、白色を選択する余地はあまりなくなったと思います。
青と白の違いは、税務署への決算申告が「青色申告決算書」になるだけです。
※単式簿記というのは、家計簿とあまり変わりません。
記載が必要なのは[売上・収入][仕入れ][経費]の3項目だけです。
税務署への決算申告も「収支内訳書」を提出するだけでOKですので、
自分でエクセル入力しても十分に記載できます。
①の白色申告のメリットは申告が簡単なことだけで、デメリットは優遇措置が受けられないことです。
②の青色単式のメリットは「多くの優遇措置」が受けられること。デメリットはほとんどなく、あえて言えば控除が10万しかない、ということでしょうか。
③青色複式のメリットは「多くの優遇措置」が受けられること。デメリットは経理と決算申告が少しややこしいことです。
2.青色申告だけの大きな優遇点(単式・複式共通)
意外と知られていないと思ったのが、控除以外の「大きな優遇点」でした。
考えてみれば自分も白色のときは知らなかったことでした。
自分が白色だと、青色のことは関係ないので、当然と言えば当然ですよね。
[青色の(控除以外の)優遇点]
a.赤字を3年間、繰り越せる
b.家族の給与が経費で落とせる
c.家や車、諸費用を経費で落とせる
[a]は、たとえば前期が赤字で、今期が黒字だった場合でも、前期と相殺して赤字なら所得税は無税で済むということです。
[b]は、家族が一緒に働いていれば、家族の給与を経費にできます。家族のアルバイト・パートもOKです。
[c]は、自宅と仕事場が同じなら家賃や住宅ローン(自宅が会社と別でも、やり方は色々あります)、車(車両・保険・車検・整備費用・ガソリン等を含む)、パソコン、スマホ、事務器、TV、音響機器、調理器具、研究費(?)、etc...かなりのものが会社の経費で落とせます。
さらに「減価償却」というものが使えます。
例えば、今期に車を買ったとして、これを一度に計上してしまうと今期は赤字でも来期以降は黒字になる可能性が高いとします。
「減価償却」というのは耐用年数で割り振る制度のことで、200万円で買った車を5年で減価償却すると、毎年40万円ずつ経費にできるのです。
「毎年たった40万じゃ、大した節税にはならへんなぁ」というくらい利益が出ている事業所はどうしているか。
「あそこ、そんなに儲かってるようには見えへんけどなぁ」って感じの中小企業の社長さんが、やたら高級車に乗ってたりしません? たぶん節税のためです(笑
住宅ローンも減価償却できます。3000万円のローンなら200万以上、節税できます。
これ、法律の裏道とか抜け道ではなく、遵法の優遇措置なんです。
3.納税協会さん情報に関する「お詫び」と重大補足
前回、納税協会さんの大きな特典について書き・・といっても中身は何も触れなかったのですが、
私自身がまったく知らなかった事実がありました。
納税協会さん、近畿にしかなかったことが発覚!
私はてっきり全国にあると思ってました。ゴメンナサイ。
ただ、全国各地に似たような組織はあって、地域によって
近畿以外の方も、納税協会さんのHPは会員でなくても閲覧できます。
色々と参考になると思います。
この納税協会さん、上部組織が税務署だと思っている人や、税務署の天下り団体という噂もあったりするのですが、役員さんたちの顔ぶれは地元の企業の代表者さんたちです。
納税協会の会員は何も言わないので会員以外は会のことがよく分からず、「噂」だけが飛び交っているのです。
税理士さんは税務署と仲良しですが、納税協会さんは「健全な納税者の団体」で、
「適正な申告納税の推進と納税道義の高揚を図ることに力を注ぎ、企業経営の健全な発展と明るい地域社会の建設に貢献すること」を目的としています。
ざっくり言えば、事業者がちゃんと申告納税できるよう、手とり足とり教えてくれるのです。
年間わずかの会費(うちの場合は3800円)で、
会員が適正に申告納税できるよう面倒を見てくれるので、税理士さんとどっちがお得でしょう?
企業の代表さんたちは税以外のアドバイスもしてくれますし、
定期的に冊子が送られてきて、税制が変わった時にはどこをどうしたらいいかを教えてくれますし、相続税や不動産に関することなど、親切丁寧に教えてくれます。
冊子では分かりにくい人のために無料の講習会も開かれています。
「どっからどこまで経費にしていいの?」なんてことも、
事業者の立場で教えてくれます。
会員交流を望む人は交流会も開かれていますので、視野も広がります。
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会員になると、玄関などに貼れるプレート(会員章。貼る義務はありません)と、
毎年会員シールをくれます。決算申告書の下の方に、税理士さんを雇っている場合は税理士さんの名前を書く欄があるんですが、納税協会の会員はここに会員シールを貼ることができるんです。だから納税協会さんは、会員が正しく申告できるよう、手とり足とり教えてくれるわけなんですね。
もちろん、自分でやれる方は入会の必要はありませんし、自分でやれるようになってからの退会も自由です。
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[追記](7月2日12:03)
この記事をUPした大きな動機の一つは、病と闘いながら自己申告で働いておられる方からのコメントでした。病と闘いながらの自営で、ギリギリのところで闘っておられる方のブログを、「はてなブログ」でたくさん知りました。
納税協会さんや、各地の団体さん(青色申告会など)が力になってくれるかも知れません。さしでがましいことを書いて申し訳ございません。